2018.01.09インタビュー&レポート住み心地インタビュー vol.7
猫と暮らす家づくり~4匹の猫のために考えた注文住宅~
4匹の保護猫といっしょに暮らす、神奈川県相模原市にお住まいのT様。2017年に賃貸マンションでの暮らしから一新し、注文住宅を新築して引っ越しました。新築のコンセプトは「猫が猫らしく暮らせる家」。取材では、4匹のかわいい猫がそれぞれのびのびと暮らせるための工夫をお聞きしました。猫好きにはたまらない!? 癒やしの猫写真満載でお届けいたします!
猫といっしょに暮らすなら、やっぱり一戸建てに住みたい!
「賃貸マンションに住んでいたときから、ずっと一戸建てに憧れていました」と話すのは、かわいい猫たちとの暮らしをスタートさせたT様。以前は、「ペット可」の賃貸マンションにお住まいでしたが、長く暮らすほどペットの悩みは増える一方・・・。
「猫って夜行性なのはご存じですか? 夜中にちょっと高いところから飛び降りるときに階下の人に迷惑がかからないかと物音が気になっていました。特に仔猫は遊ぶのが好きでしょう? 仔猫の遊びたい気持ちを“迷惑だから”って抑えるのも気の毒で。ですので、階下の人を気にせず、猫が猫らしく暮らせる一戸建てに随分と前から憧れていたんです」とT様。
また、マンションで生活していたときは、猫たちが気ままに過ごす居場所がないことも気がかりだったそうです。
「友だちが遊びに来てくれたときなどは、猫たちは人見知りだからそれぞれの居心地のよい場所に隠れていたいみたいなんです。でも、マンションはその場所もなかったのもですから、一戸建てに引っ越してのびのびと暮らせるようにしてあげたかったんです」と話してくださいました。
このような猫たちが暮らしやすい家への要望を持ちつつ、相模原の住宅メーカー・美都住販で土地の購入から新築までを決意しました。
- 布団の中が避難場所に。掛け布団をめくると、2~3匹の猫がぬくぬくと集まっていました
- さて猫はどこにいるでしょう? 正解はシューズクローゼットの最上部です。「ステップがなくても器用にのぼって隠れ家にしているんですよ」とT様も驚かれています
猫が家の中を行き来できる開放的で楽しいプラン
- リビングに取り付けたキャットウォークは、3階部分のロフトにつながります。ロフトの立ち上がり部分には、猫が通れるだけの通路を造っています
- キャットウォークには一部アクリル板を取り付けました。「ちょっと猫が一休みすることもできますし、なにより肉球が見えて萌えるでしょ(笑)?」
- ロフト部分は大人が中腰になって歩くほどの天井の高さです。T様は勉強部屋として活用しているそう。「座って勉強するので、天井の高さは気になりませんよ」
- 寝室のドアには猫用のドアを設置。クロゼット以外は自由に猫が出入りできます
T様邸のリビングは2階に計画されています。玄関から階段をのぼって2階にたどり着くと、そこは開放的なLDK。冷暖房効率を考えて、リビングと階段の境目に扉を付ける家も少なくないなかで、あえて扉を付けていない理由についてお聞きすると、「私がいないときも猫たちが自由に家の中を行き来できるように、あまりドアを付けないで欲しいとオーダーしました」とのことでした。
猫たちが遊べるステップやキャットウォークも取り付けて、猫が楽しく暮らせる工夫がいたるところにありました。
猫たちが日向ぼっこできる、ポカポカの窓際
- リビングにできる陽だまりに集まって、猫たちが昼寝をするそう。見ているだけで癒されるかわいらしい姿です
- 通りを行きかう人を眺めていられるように、一部のカーテンを短くしてあります。カーテンの上部を洗濯ばさみでつまんであるだけなので、さっと元に戻すことができて便利
猫たちが日向ぼっこできる暖かな日差しが差し込む窓際があることも、T様が家づくりをするときにこだわったポイントでした。
生活の拠点となる2階には、なんと3つのバルコニーを設置。一つは南面に面した洗濯物を干すためのバルコニー。そしてお茶を飲んだり食事をとったりするための“非日常感”のあるバルコニー。そして、もう一つは、設計担当者の優しい提案として読み取れる、ちょこっとゴミを置いておけるためのバルコニーです。
猫たちが寛ぐのは南面にあるバルコニー付近です。陽だまりができると、ここぞとばかりに集まってきてはウトウトと「日差しの毛布」を掛けてお昼寝をするそう。
そんな姿を見て、飼い主のT様は「やっぱり家を建ててよかった!」と感じるそうです。
飼い主がいないときも快適な空間をつくる高気密・高断熱の家
- 「ちょっとお茶を飲んだりしたくて、優雅なバルコニーが欲しかったんです」というT様のオーダーに対して、思い切ってリビングの延長線上に使えるバルコニーを設置
- バルコニーはキッチンの目の前にあるので、お茶や食事を運ぶこともすぐにできます。窓は高機能サッシを採用しているので、暑さ・寒さに悩むことはないそうです
読者の皆さん、窓が多い家は「寒そう・・・!」なイメージを持たれていませんか?
特に冬場の寒気や冷暖房効率について快適な住環境が保たれているのか尋ねたところ、「2階のLDKと3階のロフト部分は大きなひとつながりの空間ですが、寒くて困ることはないですね」とT様。LDKにはガス暖房機があるものの、家の断熱効果が高いために特別な寒さ対策をすることもないとのことです。
猫のための開放的なプランとはいえ、暖かな住環境はT様の暮らしも活動的にさせてくれることでしょう。
ハワイを身近に感じられるインテリア
- ハワイアン柄のアクセントクロスが目を引く寝室。優しいトーンの模様なので、派手になりすぎません。お部屋のアクセントにぴったり!
- 天井は植物を編んだような模様の「ラタン調」のクロスを使って、リゾート気分を盛り上げて。ダークブランを使うことで空間が引き締まります
- ハワイで購入してきたハワイアンキルトのクッションは猫たちもお気に入りなのかも!? リラックスした猫といっしょにT様のお部屋を彩ります
- T様が大好きなハワイのとっておきの1枚。インテリアのイメージの源になっているそう
インテリアの計画も楽しい時間を過ごされたというT様。インテリアを選ぶときのコンセプトを「ハワイアン」と決めて、暮らしの近くにハワイが感じられる内装にしてあります。
特に寝室は、かわいらしいハワイアン模様の壁紙と、ラタン調の天井でコーディネートしました。「ショールームでこのコーディネートを見させてもらったときに、絶対に真似したい!って思って」とT様。
寝室の内装はハワイアンですが、家のなかの視線が集まる部分にハワイアンキルトやハワイの絵画が飾られてあり、明るい南国ムードが感じられました。リビングの天井に取り付けたシーリングファンも、南国ムードを高めるためだとか。
気心知れた同級生が集まってパーティが開かれるLDK
新築してからというもの、T様の近所に住む同級生たちが集まって、パーティをする機会が増えたそうです。アイランドキッチンはぐるぐるっと回遊できる動線のため、親しい人がキッチンに立ってパーティの準備をすることも容易にできます。
ゲストが少人数の場合は、バーカウンターのように使うのも便利ですね。
もっともっと保護猫が暮らしやすい環境を求めて
取材の最後に、これからの猫との暮らしについて、どのような夢があるのかお聞きしました。
「私は小さなころからずっと、動物といっしょに生活してきました。現在、私と暮らしている保護猫は4匹いますが、マンションに暮らしているときはこんなにたくさんの猫と生活するのはご近所さんへの配慮を考えると、難しいことでした。たくさんの猫と夢が叶った今、もっとたくさんの猫と生活してもいいかな(笑)」とニコニコしながらお話してくださいました。
猫と人間が快適に暮らす住まい――。猫がたくさんいると傷やニオイが気になるものではないか、と不安に思う人もいるかもしれませんが、床は傷に強いタイプのものを採用してあり、ニオイも気になることはありませんでした。猫を愛するT様と、猫たちの気ままな暮らしが垣間見られた、心温まる取材となりました。