2019.07.29インタビュー&レポート住み心地インタビュー vol.18
働くママのアイデア満載! 家族全員がストレスフリーになる“家事ラク”の家
“家事ラク”の家とウワサを聞きつけてお邪魔したのは、神奈川県相模原市にあるI様邸です。ご家族構成は4名。ご主人様と奥様、そして育ちざかりのお子様2名の子育て世帯。普段のライフスタイルを訪ねると、「フルタイムで働いているので、基本忙しいです」とお話する奥様。そんな忙しい奥様とご家族が24時間快適に暮らすため、注文住宅で建築した、徹底的に“家事ラク”にこだわった家をレポートします!
絶対に後悔しないマイホームを建てたい!
ご夫婦ともにフルタイムで働くI様ご家族。仕事の関係で引越しが多く、これまで賃貸の一戸建てで暮らしていました。取材のはじめにI様ご夫婦が注文住宅を建てたきっかけをお聞きしました。
「転勤で色んな地域に住みましたが、相模原は暮らしやすくて、一生ここに住みたいと思うほどです。子供も学校になじんでくれたので、ここにマイホームを持ちたいと考えるようになったんです」(奥様)。
「それに、子どもたちも大きくなってきて個室が必要になってきたんです。これ以上大きな家を借りるんだったら、コストの面を考えても家を建てたほうがいいと考えました」(ご主人)。
「家は3回建てないと理想の家にならない!」という言葉も家づくり経験者なら聞いたことがあるかもしれませんが、なかなかそうはいきませんよね!「せっかく注文住宅をたてるのだから、とことん“家事ラク”にこだわりました」と話す、奥様の素晴らしいアイデアを見ていきましょう!
“家事ラク”のポイント1:家族の動線上に収納を考える
「玄関周りは、いつもきれいにしていたい!」。そう思っていても、カバンや上着、帽子などが散らかりやすいもの…。特に小さなお子様がいるご家庭では、「ランドセルは自分の部屋に片付けなさーい!」なんていうママの声がどこかから聞こえてきそうです(笑)。
家族全員の片付けの負担をなくすため、I様邸で考えた工夫は「動線上に収納を考えること」でした。
「モノを横によけるだけで片付く家にしたかったんです。だから、家族の動線上に収納を考えました」(奥様)。
- 毎日使うカバン類も玄関近くの収納へ。「重たいランドセルですから個室に運ばないでポイポイ…っと置き去りにしがち。だったら玄関を置き場所にしよう!」という奥様のポジティブなアイデア。
- I様邸の玄関です。いわゆる下駄箱はなく、ハンガーポールを設置。「ただいま」と同時に、衣類も、帽子も、定位置に戻すことが習慣になります。
- 履かない靴は、シューズクロークへ。棚板の高さを変えられる可動棚を設置しました。自転車用のヘルメットもここにしまえて一石二鳥です。
- こちらもシューズクロークの一角。階段下の空間を最大限に活かしました。実はこの収納、高さを出すために床が一段低くなっています。これまた家づくりのアイデア…!
“家事ラク”のポイント2:思い切ってクローゼットもオープン収納に
I様邸の収納は、扉のない「オープン収納」ばかりです。それは個室のクローゼットもしかり。今まで、クローゼットには扉をつけることが当たり前だと思っていましたが、扉を外してもなんの不便もありません。見た目も違和感がなく、部屋が広く見える効果も感じました。
「あえて扉をつけないオープン収納にこだわりました。扉を開けるアクションがあることで、一気に“面倒くさい”の気持ちが湧いてくるもの。子どもたちも自分で片づけができるようにするために、できるだけアクションが少なく済む方法を考えました」(奥様)。
- 子ども部屋のクローゼット。扉を開かなくても収納できるので、すごく便利そう! 何がどこにあるか一目瞭然です。
- ご主人の部屋のクローゼットもオープンに。「いずれはここにベッドを置こうと思っています」(ご主人)。扉がないことで、模様替えがしやすくなることもポイントですね!
実は、扉などの「建具」って案外コストがかかります。I様邸のように割り切ってオープン収納をチョイスすることで、建築費も抑えられるんです。
もしもすべてをオープン収納にすることに迷いがあれば、「後から建具をつけられますか?」と確認してみましょう。後々リフォームしやすい家が建てられるはず!
“家事ラク”のポイント3:毎日の洗濯負担を攻略する!
I様邸で特に注目したいのは、3階建て2階につくった「ランドリースペース」です。I様邸は、浴室横の脱衣所に洗濯機を置き、隣接して室内干しができるランドリースペースを計画しました。その広さは約5畳と個室並みの広さ…! ここで洗濯物を干したり、アイロンをかけたりと、家族の衣類のお手入れをまとめて行っているそうです。
「洗濯物の家事負担を軽減するために、ランドリースペースの広さにはこだわりました。天気が怪しいときは、迷わず室内干しができますし、アイロンがけもここでできます。また、お風呂上がりの子どもたちがさっと着替えられるよう衣類もランドリースペースに置くと便利ですね」(奥様)。
さらにこのランドリースペースの隣にはベランダがあるため、晴れた日の洗濯物の動線も短くすみます。
できるだけ短い家事動線に憧れていても、現実問題、難しいことも…。I様邸のように、自分がしたい暮らしや住まいを追求するには、注文住宅は理想的ですね。
家族がくつろげる「居場所」は意識してつくる
I様邸は、“家事ラク”のほかにもたくさんのアイデアが満載です。
例えばリビング。家族それぞれがくつろげるように、ちょっと腰掛けて落ち着ける場所を意識しました。特に子ども用のスペースとして計画した和室の小上がりは、気配は感じてもキッチンからは目の届かない場所。お互いに安心でき、かといって気にしすぎない距離感を保って、それぞれの時間が過ごせます。
- 小上がりの段差を利用したカウンターテーブルも作りました。お子様たちが宿題をしたりお絵描きをしたり、自由気ままに過ごせる場所です。
- ご主人様は、キッチンのカウンターでデスクワークをすることが多いそうです。「ダイニングテーブルだと、食事のたびに資料を片付けなくてはなりませんが、ここだと片付けなくてもOK!」(ご主人)。
家づくりは、施主と設計士の共同作業
このように徹底的に理想の家にこだわることができたのは、I様からの的確なオーダーがあったからでしょう。家づくりは、施主と設計士の共同作業ですから、「やりたいこと」をしっかりと伝えることも非常に大切です。設計士は施主の意向を汲み取って、プロの立場から「できる・できない」を判断したり、さらに良いアイデアを提案したりします。
「今回、注文住宅をお願いした美都住販さんには、設計について何度も打ち合わせを重ねました。私は、家族の暮らしを考えることはもちろん、収納の量は足りているか、コンセントの量や位置は不便ではないかと、徹底的に考えました。美都住販さんには、構造の問題などクリアして、何とか実現できるようにブラッシュアップしてもらいました」(奥様)。
以前から「間取りを見ることが好き!」と話す奥様は、雑誌やブログから様々なアイデアを得て、マイホームに反映させていったんだなぁ、と考えさせられました。家を案内してくださる姿もすごく楽しそうで満足していることが伝わってきます。
「いままで引越しを繰り返してきたので、やっと『ここが自分の家』という感覚です。子どもたちにとっても、私たち夫婦にとっても、たくさんの楽しい思い出が詰まった場所になることを期待しています」(ご主人)。