2018.06.28家とのつきあい方リフォームでもっと快適! vol.3
【フルリフォーム】センス爆発!美術館風ハウス
横浜市内某所。2017年に耐震補強を兼ねたフルリフォームを行ったS様邸は、元アパレル会社勤務のご主人様がこだわりを爆発! 美術館さながらの超個性的ハウスに生まれ変わりました。独創的な配色に始まり、キッチンの場所を移動させたり、1つの部屋にいくつものクロスを組み合わせたり、ステンドグラスを採り入れたり……自由自在な手法が詰め込まれています。そんな家が生まれた背景から体験談まで、たっぷりと伺ってきました!
人は「何かを残したい」生き物。
- リフォーム前外観。
- リフォーム後外観。
最寄り駅からも徒歩圏であり、道を挟んで正面には広大な緑が広がるという素敵な立地に構えるS様邸。現在、ご主人のS様とその奥様、ご主人のお義母様の3人暮らしです。この度、築45年のお宅をフルリフォームされたとのことで、まずはそのきっかけから伺いました。
ご主人様「この家は何年か空き家にしていて、私たち夫婦はしばらく賃貸暮らしをしていたのですが、ずっと家賃を払っていくのはどうなのだろうという感覚は常々持っていました。たまたま美都住販さんのリフォームを知り、何かの縁、タイミングを感じたんです。家も土地もあるわけだから、活用しない手はないなと」
実際にリフォームの話を進めていくと、ご主人様の頭の中にどんどんイメージが溢れてきたといいます。
ご主人様「人ってやっぱり『何かを残したい』と思う生き物なんだと思うんです。そんな意味で、この家は私が後世に残せるものになるのでは、との直感がありました。また、担当の方から『フルリフォームなら、骨組みだけ残して自由に設計できる』と聞けたことも良かったですね。通常のリフォームは『これかこれ』みたいな枠を選んでいく作業かと思っていたのですが、実際は注文住宅のようにものすごく自由にこだわりを詰め込むことができました。例えば外壁の色は100種類近くの中から選ばせてもらえたんです。大変でしたが、本当に納得いく形でリフォームを終えることができました」
リフォームのテーマはあの、フェルメール。
今回のリフォームでは、26年ほどアパレル会社に勤めていたというご主人様のセンスが爆発しています! 数多くのこだわりが詰まっている中で、最も大きなテーマとなっているのが「真珠の耳飾りの少女」などで知られる有名画家フェルメールだそうです。
ご主人様「色にはすごくこだわりを持ちました。フェルメールが多用した鮮やかなブルー、イエローに加え、私の好きなオレンジを加えた3色が、この家の至る場所でアクセントになっています。また、フェルメールは「光の魔術師」としても知られています。家の中の光の入り具合も考えながら、クロスや家具の色を決めていきました。リビングのクロスはよく見ると、同じ白でも質感やデザインが異なるものをいくつも組み合わせています。光の当たり具合で柄の変化が楽しめるんです」
- リフォーム前キッチン。
- 外の光が届きにくい空間だった。
- リフォーム後の明るいキッチン。
- イエローを基調としている。
- 近くで見るとかわいいデザインのリビングクロス。
- カウンターの角はかなり大胆な丸みを。
実はこのリビング、以前は窓が小さい暗めの和室で、キッチンは現在の和室の位置(リビングの奥)だったのです。そのキッチンを大移動し、LDKとして見事再生。明るく広々とした空間は、ご主人様の色彩センスにちょっとだけ「?」の奥様(笑)も、大絶賛の改造でした。
奥様「最初、夫は外観を紺色にしたいと言っていたので、それだけは猛反対してなんとかなりました(笑)。でも今のリビングは本当に正解だったと思います。窓も最大のものを入れてもらって、本当に明るくて気持ちのいいリビングになりました」
さりげないオレンジで明るい和室に。
- リフォーム前和室。正面やや右、縦長の柱が床柱(絞り丸太)。現在リビングに再利用されている。
- リフォーム後、オレンジ基調の明るい和室に。
テーマカラーをオレンジとした和室は、明るく、温もりのあるお部屋に。ここでも個性的なクロスが組み合わされて使用されているものの、統一感があるため柄が重なっても不思議とうるさく見えません。もともとキッチンがあった場所だとは……信じられません。
- たたみに花柄が。
- 天井も壁のクロスも個性的!
以前和室で使われていた床柱(絞り丸太)を、現リビングでも活用! なんとも味のある演出です。
- カウンター下に、以前和室で使用されていた床柱(絞り丸太)を再利用。
- こんなところにも床柱(絞り丸太)が再利用されている。
奥様への愛が感じられるステンドグラス
リビングと玄関を隔てる壁に、立派なステンドグラスがはめ込まれています。一見、なんだか主張がすぎる位置にいるようにも感じましたが、もちろんそれには理由がありました。
ご主人「妻の出身地の県花が桜草だと知ったときにピンときました。昔ヨーロッパで教会のステンドグラスを見て、まさに心が洗われるような感覚になったのを覚えています。この家にも、妻の何かしらが残ってほしい。そんな想いから、ネットで見つけた桜草のステンドグラスを思いついたんです。リビングと玄関という重要な位置に配したのは、例え雰囲気が違っていてもここじゃなきゃいけないと思った次第です」
う~ん。直接は言いませんでしたが、奥様への愛が感じられますね!
「美術館」があります。
- 玄関を入ると正面にはイエロークローバーのステンドグラスが現れる。
- 玄関に入って右の壁には太陽、月、星のアート。ご主人様のデザイン。
玄関を入るとすぐ、右手の壁に大きな「1枚のアート」が現われます。モザイクタイルをデコレーションして太陽、月、星を表現した、まさにこの家のカラーを象徴する壁紙アートになっています。
- 美術館という名の、元納戸。
- 正面にはフェルメール。天井のクロスもポイント。
2階に上がってすぐ左手には、元納戸、現在はご主人自ら「美術館」と呼ぶ、アートスペースが用意されています。
また、2階の廊下の天井は蓄光クロスという、暗くなると光る仕様になっています。夜空に星が輝くごとく、幻想的な演出です。
「丸」を意識した水回り。
- リフォーム前洗面所。
- リフォーム後。お母様の手作りという洗面台は再利用。
- 正円のミラーが、洗面台の雰囲気にもぴったり。
- お風呂場のミラーも丸型。
ご主人様のお母様が、趣味のタイルで作ったという45年前の洗面台。「これはぜひ残そう」とのことで、カラーやその丸みを感じるフォルムを水回り全体のイメージとされました。
2階もこだわりに満ちた空間に。
- こちらがご主人様の一番お気に入りの部屋。ベランダもある。
- トビラにはブルークローバーのステンドグラス。こちらの壁紙も個性的。
- クローゼットの中まで、クロスにこだわり。
- 調色、調光ができる、ご主人様お気に入りのデザイン照明。
- リフォーム後の寝室。窓からの緑溢れる景色が◎。
- こちらのトビラにもオレンジクローバーのステンドグラスが。
- 天井、壁それぞれにこだわりのクロスを使用。
- リフォーム前からあった窓ガラスを活用。星空のような模様が家のテーマ的にもバッチリ。
こちらは寝室。春になると、目の前に咲く桜がとてもきれいなんだとか。
「家でゆっくりと過ごす時間が増えました」ご主人様
最後に、リフォームを終えての感想をご主人様に伺ってみました。
ご主人様「これまで自分の中に刻まれたさまざまな体験を、形として表現することができた満足感があります。例えば、幼少期に父に天体望遠鏡を買ってもらえたことが嬉しくて、よくこの庭先で星を見ていたんです。家に天体のデザインが多いのはそのためだと思います。本当に自分の分身とも言えるような作品ができました。たくさんわがままを聞いてくれた美都住販さんには感謝しかありません。リフォーム前は趣味でよく外出していたのですが、最近は家でゆっくりと過ごすことが多くなりました。リフォームに納得がいっている、何よりの証拠だと思います」
そしてこの度、ご主人様のご好意で、こちらのお宅を「興味があれば一般の方にも見学していただいて構わない」とのご意向をいただきました。詳しくは、美都住販担当までご連絡ください。美術館のようなお宅ですが、もちろん、入観料は必要ありません。
- リフォーム前1F。
- リフォーム後1F。
- リフォーム後2F。