2024.08.05相模原ライフ子育てママ必見!相模原の教育事情 vol.11
みんなで支え合う子育てを実現したい。相模原の3つのこども園特集
相模原市の子育てのしやすさは、実際のところどうなのか。今回は市内のこども園を取材することでその実態に迫ります。お話をお聞きしたのは「相生こども園」の園長、千田さん。同じ社会福祉法人たけのうち福祉会が運営する「たけのうちこども園」と「古淵あおばこども園」のことも織り交ぜながら、現場での取り組みから相模原市の制度まで、たくさんの子育て情報をうかがうことができました!
子どもたち1人ひとりが「輝く場所」「つながる場所」「伸びゆく場所」でありたい。
共働き世帯が増えている昨今。
日中の子どもの預け先となる幼稚園や保育園の存在は、子育てを語るうえで年々重要度を増しています。
子どもの預け先が、家や職場からどのくらいの距離にあり、そこではどんなことが取り組まれているのか。
それによって住む場所を決めるご家庭も、最近では珍しくありません。
そこで今回は、相模原市内にある3つのこども園「相生こども園」「たけのうちこども園」「古淵あおばこども園」をご紹介!
いずれも「社会福祉法人たけのうち福祉会」が運営しています。
子どもたち1人ひとりが「輝く場所」「つながる場所」「伸びゆく場所」でありたい。
そんな同じ理念を掲げつつも、3つの園にはそれぞれ少しずつ違った特徴があるそうです。
さっそく「相生こども園」の園長、千田さんにお話をお聞きしました!
【相生こども園】気軽にアンパンマンに会いに行こう!
まずは千田さんが園長を務める「相生こども園」について。
JR淵野辺駅南口から歩いて15分ほど。
県道57号沿いに位置する「相生こども園」の第一印象は、なんといってもアンパンマンです。
千田さん「園庭にあるアンパンマンの遊具は、親子どちらからも非常に人気があり、当園の目印にもなっています。また当園では、地域の子育て支援の一環として、平日の午前中は毎日園庭を開放しています。近くで子育てをされている方は、ぜひ気軽にアンパンマンに会いに来ていただければと思います」
保護者とも時間を共有し、つながりをもつことで、地域での子育てを応援しているところも「相生こども園」の特色の1つです。
千田さん「例えば『子育て広場 アイアイ』では、毎週木曜日、保護者の方と一緒にキッズヨガやベビーマッサージなどのイベントを開催しています。他の親子と交流できる場を設けることで、助け合える仲間づくりのきっかけになればうれしいですね」
【相生こども園】
https://www.tf-kai.jp/aioi/index.html
042-730-6337
【たけのうちこども園】子どもたちとお年寄りが日々交流。
JR淵野辺駅と古淵駅のちょうど中間あたりに位置するのが「たけのうちこども園」。
特徴は、デイサービスが併設されていること。
子どもたちとお年寄りが自然と交流できる施設になっているそうです。
千田さん「扉1枚で園とデイサービスがつながっていて、よく一緒にお手玉なんかで遊んでいます。子どもたちはいろいろな人や遊びにふれることができるし、お年寄りも元気をもらえる、素晴らしい施設だと思います」
「たけのうちこども園」の尾野園長からは、以下のようなコメントをいただきました。
たけのうちこども園には、広い園庭があります。
園庭を力いっぱい走ったり、砂山をつくったり、
子ども達は、伸び伸びと元気いっぱいあそんでいます。
子どもならではの発想を大切に、日々「やってみたい事探し」をしています。
併設されているデイサービスの、おじいちゃんおばあちゃんとの関わりも特色のひとつです。こうしたふれあいの中で、思いやりの気持ちが育つことを感じます。
また、地域の皆さんにむけても、園庭開放や赤ちゃん広場などをおこなっています。ぜひあそびにいらしてください。
【たけのうちこども園】
https://www.tf-kai.jp/hoikuen/index.html
042-730-6336
【古淵あおばこども園】子育て広場は毎回大盛況!
JR古淵駅から徒歩2分。
電車での通勤ついでの利用にこれ以上ない立地となっています。
千田さん「交通の利便性も理由のひとつだと思いますが、古淵あおばこども園で開催される子育て広場は、特にたくさんの人が利用されている印象です。劇団を呼んで一緒に劇を観たり、夏には水遊びをしたりと、活動も積極的です」
「古淵あおばこども園」の園長であり「社会福祉法人たけのうち福祉会」の理事長でもある小磯さんからもコメントをいただくことができました。
駅から徒歩2分の認定こども園で、0歳児から就学前までのお子さんを120名程お預かりしています。
古淵駅付近には公園も多く、外であそぶことが大好きな子どもたち、園バスも所有しているので、遠足も気軽に行けます。少人数保育を中心に一人ひとりを丁寧に保育し、子どもたちがやりたい、やってみたいことが出来るように、その主体的な学びの場を提供しています。
【古淵あおばこども園】
https://www.tf-kai.jp/aoba/index.html
042-704-7063
相模原市には子育てを支える制度が盛りだくさん。
次に、相模原市としての実際の子育てのしやすさはどうなのか。
3園での実際の取り組みと合わせてうかがってみました!
■待機児童
2024年4月1日時点での、相模原市の待機児童数は7人。
数としては非常に少ないものの、1歳児が多いと聞いています。
千田さん「現在は企業の産休・育休が充実してきているので、1歳から保育園を利用しようとする方が多いからなのかもしれません。例えば当園では、1歳児クラスを8名の募集に整えています。待機児童の減少に少しでも貢献できれば幸いです」
■災害時乳幼児支援ステーション
まだ子どもが小さいうちに、避難が必要なほどの大きな災害に遭ってしまったら。
そんな不安に応えるのが「災害時乳幼児支援ステーション」。
普段は在園していない乳幼児でも、災害時は保育園での一時預かりができるシステムです。
千田さん「3園はもちろん、社会福祉法人の保育園および認定こども園の園長会と相模原市が協定を結んでいます。例えば、ボランティアで復興を手伝いに行く際に子どもを預ける、といった利用のされ方も想定しています」
■さがみん保育(こども誰でも通園事業)
保育所などに通っていなくても、定期的に保育所などを利用できる取り組み。
令和8年度の全国的な導入に先駆け、相模原市では試行的事業として今年度からスタートしました。
千田さん「月10時間までを1時間300円で保育所を利用できる制度です。園によって時間が異なりますが、当園では9~12時の3時間、つまり、月に合計3回利用できるようにしています。子ども同士のふれあいや、子育て中のちょっとしたリフレッシュはもちろん、親御さんの「孤独感」を解消することも大きな目的の1つとなっています」
子育てで少しでも困ったことがあったら、気軽に園の門を叩いてほしい。
千田さん「相模原市には保育園が90園以上、こども園が70園以上あります。その規模だけを考えても、子育て環境は充実しているように感じます。先ほどお話ししたさまざまな制度が整っていることもそうですし、保育士を目指す方や働く方には研修制度が充実していたり、子育て広場等には金銭的な補助が出ているので心強く思っています」
相模原市での子育てに太鼓判を押す千田園長。
最後に、これからの子育てについての展望をお聞きしました。
千田さん「理想の1つは、妊娠がわかった段階で『あなたが利用する保育所はここですよ』と自動的に決まるような仕組みをつくることです。この最大のメリットは、子育てに関する相談先がはっきりするところ。最近は核家族が増えていますし、特に引っ越ししたばかりで頼れる人がいない地域で子育てをする人は、誰に相談していいかわからずに孤独を感じてしまいがちです。もしそのストレスが子どもに向かってしまったらなどと考えると、胸が痛みます。これからは、園を普段から利用している人たちだけに限らず、地域にいるすべての親子の助けになっていきたいですし、本当に何でも相談してほしいと思っています。もし近くに住まわれている方で、子育てで少しでも困ったことがあったら、気軽に園の門を叩いてほしいです」
子育てに関する相談先がいなくて悩んでいる親御さんは、今の時代かなり多いのではないでしょうか。
きっと、近くに「相生こども園」のような場所があったら安心ですよね。
保育所は単なる子どもの預け先ではなく、子育てを通じて親子や地域の人がつながるコミュニティとなっていく。
そんな未来を垣間見た取材でした。