2019.05.23相模原ライフ子育てママ必見!相模原の教育事情 vol.8
【銀河の森プレイパーク】野性味溢れるみんなの遊び場!
手作りの遊具、木登り、たき火、ナイフでの木工など、野性味溢れる遊びが満載の銀河の森プレイパーク。国有地の一角がまるで秘密基地になっています。場所は淵野辺公園のすぐ近く。子どもたちが「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに全国展開している「冒険遊び場」のひとつです。さぁ、大自然の中で子どもも、大人もおもいっきり遊びましょう! プレイリーダーの高子さんに詳しくお話をうかがってきました!
公園?アスレチック?いえいえ「遊び場」です!
“銀河の森プレイパーク”と聞けば「宇宙関係の遊具があるキレイな公園かな?」なんて想像をしてしまう方も多いはず。
残念ながら、そこはありのままの自然を活かした野性味溢れる遊び場なのです!
場所は、淵野辺公園に隣接する「キャンプ淵野辺留保地」の奥の林の中。
現地にたどり着くと、そこにはまるでジャングルに住む部族の村(?)を思わせるような、手作り感満載の遊具に満ちた一角が。
とにかく、まずは写真で、どんな場所なのかをざっとご紹介♪
- 入り口はこちら。車の方は、奥左手が駐車場です。
- 入り口を進んでいくと右手側に発見。受付を済ませてから中へ。
- 遊び道具がたくさん収納されている倉庫。さすが、ここにも遊び心満載。(隣接する弥栄高校の生徒さんが描いてくれました。)
- 板でできたすべり台。
- ロープ式ブランコ×2。
- 木の上には足場が。う〜ん、登りたくなる。
- 絵に描いたような吊り下げ式ブランコ。
- ツリーハウスを思わせる木の上のデッキ。すごい……!
- チビッコが思わず登りたくなる土の山。(安心安全な土を定期的に購入、運び入れています。)
- 休憩スペースも。もちろん、子どもはほとんど休憩なんてしません(笑)。
- 木工をするためのスペース。
- 端材がたくさん入っていました。みんな何を作るのかな?
「プレイパーク=冒険遊び場」を知ろう。
「銀河の森プレイパーク」は、相模原市と銀河の森プレイパークの会との協働事業により2012年に誕生した「冒険遊び場」の名称です。
では、冒険遊び場とは?
始まりは第2次世界大戦中のデンマーク。
専門家が長年の観察から得た「子どもは、整備された公園よりもガラクタ置き場のような場所のほうが喜んで遊ぶ」という考えを具現化したもの。
現在、ヨーロッパ全体で約1000箇所。日本だけでも400~500箇所存在しているのです。日本独自のスタイルとして、場と資金を提供するのが行政、運営を行うのが地域住民と、官民協働になっており、海外からも注目されているそうです。
最大の特徴は、冒険遊び場が持つポリシー「自分の責任で自由に遊ぶ」にあるように思われます。
よくよく考えてみると「花壇立ち入り禁止」「キャッチボール禁止」など、たいていの公園は規制だらけ。ちょっとでも危ないことがあればすぐに親が止めに入る。
でも子を持つ親なら、子どもの「やってみたい気持ち」を邪魔したくないという思いも、きっとどこかにありますよね。
冒険遊び場では、たき火、木登り、穴掘り、ナイフを使った木工……など、普通の公園ではできないような遊びを、禁止するのではなく一緒に考えてやってみます。
自ら考えて遊ぶこと、そしていくらかの失敗も経験することで、子どもは主体性や責任感、仲間とのコミュニケーション方法などを自然と体得していきながら、のびのびと成長することができるのです。
- おっとっと、大丈夫?いろんな乗り方を試しているみたい。
- こちらは網の中でギャーギャーやっとります。
「子どもたちはもちろん、親もすくわれる場所なんです」
より詳細を知るために、銀河の森プレイパーク・プレイリーダーの高子未乃梨(たかねみのり)さんにお話を伺いました。
高子さんは、銀河の森プレイパークを運営するNPO法人KIDS(子どもの居場所づくり相模原)の副代表理事であると同時に、国内の冒険遊び場を支援する中間支援組織・日本冒険遊び場づくり協会の地域運営委員として神奈川県を担当しています。
http://bouken-asobiba.org/
高子さん「私も娘3人の親なのでわかるのですが、近所の公園やどこかの施設で遊ばせていても『あれはダメ、これもダメ』『お友達に迷惑をかけないで』おまけに、何かあれば親の責任にも発展しかねません。その場にいる親同士も神経をすり減らしながら子どもを遊ばせている現状があるのではないでしょうか」
ーー子育て中の親からするとドキッとする言葉ですね……。親としては当然の振る舞いかもしれませんが、確かに常にピリピリしているような気もしますね。
高子さん「銀河の森プレイパークは子どもの生きる力を育むと同時に、親御さんを孤立しがちな辛い子育てから開放してくれる場所としても機能していると思います。ここでは「自分の責任で自由に遊ぶ」という理念のもと、親御さんたちの間でも信頼関係が生まれ、みんなで子どもを育てているような安心感があります。
例えば、子ども同士でケンカが起きたとします。でも、ここでは親御さんもプレイリーダーも余程の大ごとにならない限りちょっと我慢して遠くから見守る。子どもたちだけで解決するのを待つんです。取っ組み合ったり、泣いちゃったりするかもしれません。でも、それが子どもにとっての大きな経験となるのです。もちろん、ケンカが終わればお子さんをギュッと抱きしめるのは忘れないでね。
わんわん泣いてるお子さんを抱きしめるお母さんも涙ぐんでて、止めたい気持ちを一生懸命我慢したんだよね、ってちょっと感動しちゃいます。」
ーーこの対応はまさに目からウロコ! でも、やっぱり放置しすぎるのは危険が多いのでは?
高子さん「放置ではなく子どもの力を信じて見守ります。そして、全国の冒険遊び場でも危険に対する研修は力を入れて行っています。例えば木にくくりつけただけのロープなどは日々きちんと点検し、裸足で安心して遊べるように危ないものを開園前に取り除きます。
国内での冒険遊び場活動の歴史は40年以上になりますが、冒険遊び場づくり協会には死亡事故や大きな後遺症の残る事故は報告されていません。
子どもの『やってみたい!』ちょっと危なっかしいような遊びが実際の事故に繋がらないように、でも、子どもの自主的な遊びを邪魔することなく子どものワクワクする挑戦心が削がれることのないように場作りをしています」
高子さん「プレイリーダーの主な役割は、子どもがいきいきと遊ぶことのできる環境をつくること。具体的には遊び場の整備や提案、安全への配慮、ケガなどへの対応、そして常に子どもの目線でものごとを見ることです。
また、子どもの遊びの大切さを大人や地域社会に伝えることも重要な役割だと思っています。大人って、良くも悪くも子どもの遊びに関与しすぎることがありますよね。つい『子どもが失敗しないように』と遊びを提供し過ぎてしまう。でも失敗はその子が成長できる大きなチャンス。子どもの頭と体で、安心して小さな失敗を重ねる場を作ってあげること。大人は手出し口出しせず見守る。それが大人の役割だと思いますし、プレイリーダーはそういう大人が増える場(社会)をつくる人だと思っています」
- 2人でターザンロープ。危ない……いや、楽しそう!
- 綱渡り。ゆっくりゆっくり。
ーー最後に、冒険遊び場の今後の展望をお聞きしました。
高子さん「相模原市と協力し『市内での点在化』を進めていきたいです。子どもの遊び場の確保はもちろん、地域コミュニティとしての絶大な存在感は、すでに全国の何百箇所の冒険遊び場で証明されています。私自身も娘たちと10年ほど通った経験があり、その良さは存分に知っているつもりです。子どもたちには『こんなに楽しい場所があるよ』親御さんたちには『こんな子育てができる場所があるよ』と伝えていきたいですね」
取材当日は母の日。こうしてお手伝いの方たちが自主的に遊びを企画・実行することも少なくないそう。
ある意味、銀河の森プレイパークは近所で最も子どもたちが楽しめる場所なのかもしれません。
ご興味がある方はぜひふらっと遊びに行ってみてください。基本は日月水が開園日となっています。くわしくはホームページのカレンダーをチェック!
●DATA
【銀河の森プレイパーク】
https://gingaplaypark.jimdo.com/
・開園日
毎週日曜、月曜、水曜(HPのカレンダーをご確認ください)
・開園時間
10時〜17時
【冒険遊び場】
http://bouken-asobiba.org/
【NPO法人KIDS(子どもの居場所づくり相模原)】
https://peraichi.com/landing_pages/view/kids